大手SNSや知恵袋、医療系コミュニティの投稿を調査すると、「風邪気味で喉が痛かったので葛根湯を2日間飲み続けたが、熱っぽさが増して唾も飲み込めないほど喉が腫れ上がった」という体験談が数多く見受けられます。
調剤薬局の現場で薬剤師が受ける相談の統計でも、冬場や季節の変わり目に「風邪薬=葛根湯」という固定観念から不適切な初期対応を行い、咽頭炎を悪化させて耳鼻咽喉科へ駆け込む患者が全体の約25〜30%に達していると報告されています。
また、喉の痛みに熱なしで使える漢方薬を探しているケースでは、原因が感染症ではなく乾燥やアレルギー、あるいはストレス性の「咽喉頭異常感症(ヒステリー球)」であるケースも少なくありません。この場合、喉に何かが引っかかっているような異物感には「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」、冷え体質で熱はないのに喉の奥がシクシク痛む場合には「麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)」が処方されるなど、繊細な鑑別が必要とされます。
一方、漢方薬ではなく喉の痛みに即効性がある市販薬を求める層では、トラネキサム酸を配合した内服薬(ペラックT錠など)や、イブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を併用する動きが目立ちます。しかし、ここにも見落とされがちな併用リスクが潜んでいます。