ネットミームとして「失敗した」のフレーズだけが独り歩きしている現在、一部では「単なるグロ・鬱展開重視のショッキングなアニメ」と誤解されるケースも少なくありません。しかし、作品の本質を検証すると、まったく異なる構造が見えてきます。
この第16話の絶望は、物語における最大のカタルシスを得るための必要不可欠な布石です。岡部は鈴羽の悲劇をなかったことにするため、「鈴羽を引き止めた自分自身の過去(Dメール)」を取り消す決断を迫られます。それは、鈴羽と過ごした楽しい夏の思い出を自らの手で消去することを意味していました。
誰かを救うためには、誰かとの思い出や別の誰かの生存を諦めなければならない――。この二者択一の重みこそが本作の神髄であり、単なる鬱描写ではなく、極めて論理的かつエモーショナルな伏線回収として成立している点が、現代でも高く評価される理由です。