「長年親しまれた福山雅治のCMがなぜ終了し、菅田将暉や白石麻衣に交代したのか」という疑問は、SNS上でも頻繁に議論を呼びました。この決断の根底には、2022年にアサヒビールが断行した発売以来36年ぶりとなる初の中味・パッケージの大刷新(フルリニューアル)があります。
長年市場を席巻してきたスーパードライですが、国内ビール市場全体において若者のビール離れやRTD(缶チューハイ・ハイボール等)への嗜好分散が深刻化していました。従来の「男らしさ」「ストイックな孤独の戦い」という世界観は、昭和・平成世代には絶大な求心力を持っていた反面、20代〜30代のミレニアル・Z世代には「敷居が高い」「父親世代の飲み物」という心理的距離感を生んでいたのです。
アサヒビールの公式発表資料や当時のマーケティング本部の証言によると、目指したのは「辛口の骨格を守りつつ、飲みごたえとキレのよさを向上させた『新・辛口』」の伝達でした。それに伴い、CMのクリエイティブコンセプトも「自分に打ち勝つための酒」から「仲間と共に熱狂し、最高の瞬間を分かち合う酒」へと180度のパラダイムシフトを遂げました。
菅田将暉が持つ独自のクリエイティビティと等身大のパッション、白石麻衣が放つ自然体の笑顔と飾らない人間性は、まさにブランドが再定義した「新時代を生きる人々の熱気」を象徴する存在として白羽の矢が立ったのです。