一方で、節分の時期になると「今年の恵方は南南東(165度)」という記述を目にして、「157.5度と何が違うのか」と混乱する読者が後を絶ちません。この約7.5度のズレには、日本の年中行事が受け継いできた歴史的背景が深く関係しています。
恵方とは、その年の福徳を司る神様「歳徳神(としとくじん)」が鎮座する方角のことです。この恵方は16方位ではなく、古代中国の天文学・風水に由来する「二十四方位」と「十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)」をベースに決められています。
実は、恵方となる方角は以下の4パターンしか存在しません。
- 甲(きのえ):東北東微東(75度)
- 庚(かのえ):西南西微西(255度)
- 丙(ひのえ):南南東微南(165度)
- 壬(みずのえ):北北西微北(345度)
2026年(丙午:ひのえうま)の恵方はまさに十干の「丙(ひのえ)」にあたり、その正確な角度は165度です。しかし、現代の生活者にとって「丙の方角」や「南南東微南」という表現は馴染みが薄いため、メディアや商業施設が最も近い16方位の名称を借りて「南南東」とわかりやすくアナウンスしているのが真相です。