使用できないと判断した古い灯油は、法律および環境保護の観点から適正に処分しなければなりません。まず絶対にやってはならないNG行動を確認しておきましょう。
台所の下水や側溝、河川への投棄、庭の土に埋めるといった行為は、水質汚濁防止法や消防法、廃棄物処理法に違反する違法行為です。下水管内で気化した灯油が引火爆発事故を起こした例や、土壌を深刻に汚染して高額な浄化費用を請求された事例も存在します。また、家庭ごみとして可燃ごみに出すことも固く禁じられています。
正しい処分手段は、専門の引き取り窓口に持ち込むことです。最も身近で確実なのは、最寄りのガソリンスタンド灯油引き取りサービスを利用することです。
多くのフルサービス型ガソリンスタンドや、灯油配達を行っている事業所、ホームセンターでは、古い灯油の回収を受け付けています。無料または1缶(18L)あたり300円〜500円程度の処分手数料で安全に引き取ってもらえます。ただし、近年のセルフ式スタンドでは危険物保安管理の観点から持ち込み処分に対応していない店舗もあるため、事前に電話等で「去年の古い灯油の持ち込み引き取りが可能か」を確認した上で運搬してください。
【プロの結論】安全に暖をとるための判断基準とおすすめできない行動
暖房機器のトラブルを防ぎ、家族の安全と資産を守るための決定的な判断基準はシンプルです。
【即座に処分すべき条件】
・前シーズン(半年〜1年前)からポリタンクに放置されていた灯油
・屋外、直射日光の当たる場所、湿度の高いベランダ等で保管されていたもの
・確認した際にわずかでも黄ばみ、濁り、酸っぱい異臭があるもの
・ファンヒーターの取扱説明書で「持ち越し灯油使用禁止」が明記されている機器
「新油と混ぜて薄める」「ストーブなら大丈夫と自己判断する」という行為は、リスクを分散しているのではなく、機器全体を確実に痛める愚策です。数千円の燃料代を惜しんだ結果、健康被害や暖房の買い替え、火災損害を被るリスクを考えれば、シーズン初めにフレッシュな新油を買い直すことこそが最も合理的で経済的な選択です。