黒死牟が崩壊し戦闘が終結した瞬間、無一郎の命の灯火も静かに消え去りました。肉体の死を迎えた無一郎の魂は、霧が立ち込める彼岸の地で、かつて鬼に襲われて命を落とした双子の兄・時透有一郎と再会を果たします。
有一郎は「こっちに来るな、戻れ」と無一郎を突き放し、なぜ無駄死にしたのかと激しい言葉で叱責します。弟にこれ以上残酷な運命を背負わせたくないという、兄ならではの不器用な愛情の発露でした。それに対し、無一郎が返した言葉こそが、多くのファンの涙を絞った屈指の名セリフです。
「僕が何のために生まれたのかは、僕自身が知ってるよ。僕は幸せだった瞬間が確かにあったんだ。それを奪った鬼を倒すために戦ったんだよ。」
無一郎は、記憶を取り戻し、鬼殺隊の仲間とともに過ごした日々、そして何より大切な人々を守るために全霊を尽くした自らの生を「決して無駄ではなかった」と断言しました。有一郎は弟の澄み切った魂と揺るぎない覚悟を受け止め、「無一郎、お前は頑張ったな」と抱きしめながら涙を流します。享年14歳というあまりにも短い生涯でありながら、精神的な成熟と完全な救済を遂げた感動の幕引きでした。