1970年代から80年代にかけて、松坂慶子の若い頃の美しさは「奇跡」と称されるほど際立っていました。彫りの深い華やかな顔立ち、憂いを帯びた瞳、そして日本人離れした豊満で均整の取れたプロポーションは、当時の映画館へ足を運ぶ観客を瞬時に釘付けにしました。
世間を魅了した松坂慶子の色気の理由は、単に肉体的な美しさだけにとどまりません。どこかあどけなさを残す甘い声と、大人の女性が漂わせる湿り気のある情念が同居する「二面性」にありました。映画館の巨大スクリーンに映し出される彼女の吐息や視線の動きひとつで、劇場の空気が一変したと当時の映画関係者は証言しています。
少女時代から劇団に入り下積みを重ねた彼女は、大映から松竹へと移籍したことで一気にスターダムへ駆け上がりました。正統派の清純美少女から、大人の艶やかさをまとった美貌のトップ女優へと変貌を遂げた過程こそ、彼女が唯一無二の存在となった原点です。