2006年3月、KAT-TUNはシングル『Real Face』、アルバム『Best of KAT-TUN』、DVD『Real Face Film』の3作同時リリースでメジャーデビューを果たします。『Real Face』は瞬く間にミリオンセラーを達成し、オリコン年間シングルランキング1位を獲得。まさに名実ともにトップへ君臨した瞬間でした。
しかし、デビューからわずか7か月後の2006年10月、突如として発表されたのが語学留学を理由とする無期限の芸能活動休止でした。人気絶頂のグループのメインボーカルが突然単身でロサンゼルスへ渡るというニュースは、芸能界のみならず社会全体に大きな衝撃を与えました。
その後、2007年4月に帰国し活動を再開したものの、2010年7月にはグループを正式に離脱、2014年2月には旧ジャニーズ事務所との契約満了に伴い退所を発表します。当時、一部のワイドショーや週刊誌では「度重なる規律違反」「身勝手なスタンドプレー」といった感情論的なトーンで報じられることが少なくありませんでした。
しかし、本質的な真相はより構造的なものでした。赤西が目指していたのは、歌謡曲やJ-POPの枠組みを超えた、本場アメリカ基準の本格的なR&B・ヒップホップ・エレクトロニックサウンドの追求とグローバル展開でした。一方、当時の大手芸能プロダクションが求めたのは、ゴールデンタイムのバラエティ番組出演、ドームツアー、CM出演を軸とする従来型の巨大マスメディア循環ビジネスです。このクリエイティブに対する根本的なビジョンの乖離こそが、決別の本質でした。