瓶の底や全体が白く濁り、固形化してしまうと「異物混入やカビの繁殖」を疑ってしまいがちです。しかし、一般社団法人日本養蜂協会の学術資料や食品成分データが示す通り、はちみつが白く固まるのはブドウ糖の結晶化によるものです。
はちみつの主成分は、ミツバチが花の蜜(ショ糖)を体内の酵素で分解して生成した「ブドウ糖」と「果糖」です。この2つの糖が水分約20%という極めて少ない水分の中に溶け込んでいる「過飽和水溶液」の状態になっています。ブドウ糖は水に溶けにくく結晶化しやすい性質を持つため、特定の環境要因が揃うと微細な花粉などを核にして結晶へと成長していきます。
特に蜂蜜が固まる温度は14度〜16度前後が最も起こりやすいとされています。外気温が下がる冬場はもちろん、保存場所として良かれと思って冷蔵庫に入れてしまうと、まさに結晶化を最も促進させる温度帯に晒し続けることになります。水分活性が極めて低くpHも酸性である純粋はちみつは、細菌が繁殖できない環境のため基本的に腐敗しません。白い塊は品質劣化のサインではなく、天然の糖分が姿を変えたものに過ぎません。