鼻根部が低くなる最大の要因は、遺伝的要因に基づく頭蓋骨および鼻骨の形態的特徴にあります。解剖学的に鼻根は、前頭骨と左右の鼻骨が合わさる接合部(ナシオン)に位置しており、この土台となる骨の傾斜角度や突出度が鼻根の高さを直接決定づけています。
日本人を含む東アジア人の骨格は、欧米人と比較して前頭洞の発達が穏やかで、眉間から鼻根にかけての起伏がなだらかな傾向を持ちます。さらに、鼻中隔軟骨の厚みや皮膚・皮下脂肪の厚みも影響を与えており、骨そのものの高さだけでなく軟部組織の厚みによって鼻根が埋もれて見えるケースも少なくありません。
また、成長期における口呼吸の習慣(アデノイド顔貌傾向)や舌位置の異常が上顎骨の発達に影響を及ぼし、中顔面の立体感が育ちにくくなることも鼻根が低い原因の一つとして指摘されています。加齢に伴う骨吸収によって中年期以降にさらに鼻根の落ち込みが強調される事例も確認されており、単一の理由ではなく複数の解剖学的要因が絡み合っています。