新潟の幻の灯り「鯛車」とは?絶滅危機からの劇的復活劇と購入・体験完全ガイド

新潟の幻の灯り「鯛車」とは?絶滅危機からの劇的復活劇と購入・体験完全ガイド

新潟の幻の灯り「鯛車」とは?絶滅危機からの劇的復活劇と購入・体験完全ガイドの真相や最新動向に迫る! 専門的な視点でまとめました。

「鯛車(たいぐるま)」のルーツは、江戸時代末期(1840年代頃)の越後国蒲原郡巻村(現在の新潟市西蒲区巻地区)にさかのぼります。日本海沿岸の港町や農村地帯に位置するこの地域で、子どもたちのお盆の墓参りや夜のそぞろ歩きを彩る玩具として誕生しました。

全盛期を迎えた昭和初期の記録によると、「町内では子どもの数だけ鯛車が作られた」と言われるほどの熱狂ぶりでした。お盆の夕暮れ時になると、色とりどりの浴衣に下駄を履いた子どもたちが、胴体の中にロウソクを灯した数十台の鯛車を引き、砂利道をゴロゴロと鳴らしながら練り歩く――。それは巻町の人々の心に深く刻まれた原風景でした。

しかし、戦後の高度経済成長期を経て生活様式が激変します。道路のアスファルト舗装が進んだことで砂利道特有の車輪の心地よい響きが失われ、プラスチック製玩具やテレビゲームの台頭、さらには木造長屋から近代建築への住環境の変化によって、火を使う手作り玩具は急速に衰退しました。昭和40〜50年代には町で唯一の職人も制作を断念し、鯛車は完全に地域から姿を消す寸前にまで追い込まれたのです。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。