日本国内に目を向けると、京都や金沢の伝統工芸士たちが継承してきた「岩群青(いわぐんじょう)」の技術が海外のラグジュアリーブランドから極めて高い関心を集めている。鉱物を細かく砕く際の「粒子の粗さ」によって青の濃淡を十四段階以上に分類する日本の色彩感覚は、まさに世界唯一無二の職人技だ。
粒子が粗ければ黒みを帯びた濃い青になり、細かくなれば淡い空色へと変化する。この繊細なテクスチャー表現が、スイスの高級腕時計の文字盤や高級インテリアの壁面素材として次々と採用されており、日本の伝統美学がグローバル市場で新たな価値を創出している。