八瀬の地を語る上で欠かせないのが、この地に敷かれた鉄路のドラマである。もともと京福電気鉄道の路線として地域住民や参拝客の足を支えてきた歴史を持ち、時代の変遷を経て叡山電鉄へとバトンが渡された。正式名称である「八瀬比叡山口駅」は、欧州の終着駅を思わせるアール・デコ調の鉄骨構造屋根が特徴的で、鉄道ファンならずとも一目惚れする美しさを誇る。
観光列車「ひえい」をはじめとする個性豊かな車両が走り抜け、車窓から眺める四季折々の景色はまさに動く絵画だ。古き良き時代の面影を残す駅舎と最新の観光列車が同居する情景は、京都の鉄道文化の深さを物語っている。