中村雅俊という表現者の足跡を振り返ると、その生命力の強さに改めて圧倒される。名門劇団である文学座の研究生として演技の基礎を徹底的に叩き込まれた彼は、1974年にドラマ『われら青春!』の主役に大抜擢され、鮮烈なデビューを飾った。不器用ながらも情熱的に生徒とぶつかり合う熱血教師像は、瞬く間に日本中のお茶の間を虜にした。
その後も『ゆうひが丘の総理大臣』をはじめとする名作青春学園ドラマで主役を務め、一時代を築き上げる。明るく飾らない人間味あふれるキャラクターは、日本の芸能界における「理想の兄貴分・教師像」として定着した。半世紀以上もの間、テレビドラマ界のトップランナーとして走り続けてこられたのは、強靭な肉体と精神的なタフネスがあったからに他ならない。