信太山新開地が存在する和泉市(大阪府)において、この街の立ち位置は常に法的なグレーゾーンの綱渡りだった。飲食店として営業許可を取得しつつ、実態として性風俗特殊営業の境界線上に位置する営業形態は、管轄である和泉警察署との微妙な均衡関係の上で成立してきた歴史がある。
警察による摘発リスクを回避するため、組合は徹底した自主規制を敷く。路上での強引な客引きの禁止はもちろんのこと、反社会的勢力の完全排除や未成年の雇用防止など、一般の商業組合以上の厳罰主義を貫く。法と地域の習俗が結んだ妥協点こそが、長年にわたりこのエリアが存続できた最大の防壁である。