日本の自動車製造業に多大な影響を与えた本田宗一郎は、現場での手ざわりとネジ1本の精度に徹底的にこだわったことで知られる。「たかがネジ1本」という妥協が、走行中の脱輪やエンジン全壊という惨事につながることを熟知していたからだ。
プロの登竜門である自動車整備士技能検定の実技試験においても、ネジの締め方向の確認やトルク管理の所作は厳しく審査される。締め付け作業は単なる作業ではなく、構造物の安全を担保する極めて重要な工程なのだ。締め方向を身体に叩き込み、正しい手順を踏む姿勢は、プロもDIYユーザーも変わらない。