この神社の主祭神として鎮座するのは、風の神である級津彦命と級津戸辺命である。吹き抜ける風は滞った空気を一新し、あらゆる穢れを吹き払う力を宿す。神道・伝統文化において風は神の息吹そのものと考えられており、停滞した運命を力強く動かす象徴として崇められてきた。
由緒を紐解けば、鎌倉時代の創建から脈々と受け継がれてきた歴史は極めて重厚だ。東京都神社庁の管轄下にあって神社本庁に属する由緒正しき別表神社でありながら、地域の氏神としての温もりを失っていない点も特筆に値する。制度的な格式の高さと庶民的な親しみやすさ。この絶妙な調和こそが、訪れる者の心を捉えて離さない真の源泉といえるだろう。