歴代の最高値記録に名を刻むマグロのほとんどが、共通の故郷を持っている。本州最北端に位置する青森県大間港で揚げられた最高級のクロマグロだ。「黒いダイヤモンド」と称されるこの魚は、津軽海峡の激しい潮の流れと厳しい冬の寒さの中で育まれる。
大間の漁師たちが誇る伝統技法が「一本釣り」だ。網で傷をつけることなく、一対一の勝負で釣り上げられた巨大マグロは、船上で即座に血抜きと神経締めが施される。この徹底した鮮度管理があるからこそ、セリ場で数千万円、数億円の値がつく。最高値を記録する背後には、荒海に命を懸ける漁師たちの執念と熟練の技術が存在している。