現場のトップブリーダーや愛好家コミュニティの観察報告から明らかになっているのは、「メスの性成熟の見極めミスが繁殖失敗の最大要因」という事実です。
羽化直後のオオクワガタのメスは、内臓器官や生殖器が未成熟な状態にあります。エサを食べ始めた(後食:ごしょく)としても、即座に交尾可能となるわけではありません。ブリードの現場で実証されている鉄則は、「後食開始から最低でも2〜3ヶ月、安全を取るなら羽化後半年〜1シーズン越冬させてからペアリングを行う」ことです。
ペアリング交尾時期は、気温が安定して上昇する5月〜7月が最適期です。同居ペアリング(オスとメスを同じケースに入れる方法)を行う際は、オスの大アゴを針金や結束バンドで固定する「アゴ縛り」を施すか、ハンドペアリング(目の前で交尾を確認する方法)を採用するのがセオリーです。成熟していないメスを無理に同居させると、オスに挟まれてメスが命を落とす「メス殺し」のリスクが急激に跳ね上がります。