動物病院の診察台では緊張や興奮から呼吸が急激に早くなるため、獣医師が最も重視するのは「自宅の落ち着いた環境下での安静時呼吸数」です。日頃からベースラインとなる数値を正確に把握しておくことが、潜在的な異変の早期発見につながります。
測定は、愛犬が深く眠っている時や、完全に体を休めてリラックスしているタイミングで行います。愛犬の胸郭(胸部)または側腹部(お腹の側面)が「吸って膨らみ、吐いて元に戻る」一連の動きを1回とカウントします。1分間通して数えるのが理想的ですが、動いてしまう場合は30秒間数えて2倍、あるいは15秒間数えて4倍に算出しても構いません。
健康な成犬における安静時呼吸数は1分間に15〜30回程度です。小型犬や子犬ではやや多めになる傾向がありますが、それでも安静時に30回以下に収まるのが一般的です。もし安静時や睡眠中に40回を超え、それが複数回測定しても下がらない場合は、目に見える症状が出ていなくても肺や心臓に負荷がかかっている警戒領域と判断されます。