近年実施された大がかりな刑法改正によって、性犯罪に関する処罰規定の体系が大きく見直された。従来の「強制わいせつ罪」は「不同意わいせつ罪」へと改められ、処罰の要件となる「同意がない状態」の具体例が法律上に明確化された。暴行や脅迫が直接伴わない場合であっても、拒絶の意思を示せない心理的・物理的状況に乗じて行われた性的行為は、明確に処罰の対象となる。
これに対し、公然わいせつ罪は不特定または多数の人が認識し得る状況でわいせつな行為を行う罪であり、個人の性的自己決定権を守る不同意わいせつ罪とは保護法益が異なる。前者が社会全体の健全な風俗を守ることを目的としているのに対し、後者は被害者個人の身心と尊厳を護るための規定だ。この二つの違いを理解しておくことが、法的なリスクを判断する第一歩となる。