古文の呪文「ありおりはべり」の正体とは?ラ変の仕組みを徹底解剖

古文の呪文「ありおりはべり」の正体とは?ラ変の仕組みを徹底解剖

古文の呪文「ありおりはべり」の正体とは?ラ変の仕組みを徹底解剖とはどのようなものなのか? 背景や要点を整理してお届けします。

ラ行変格活用の最大の特徴は、「終止形がイ段(り)で終わる」という点です。日本語の通常の動詞は終止形がすべて「ウ段」で終わりますが(書く、落つ、受くなど)、ラ変動詞だけは終止形が「り」になります。

まずは基本となる活用表と、それぞれの語が持つ意味・敬語の性質を確認します。

動詞(基本形)活用(未然・連用・終止・連体・已然・命令)現代語訳・主な意味敬語の種類と用法ありら・り・り・る・れ・れある、いる、生きている普通語(敬語ではない)をり(居り)ら・り・り・る・れ・れ座っている、じっとしている、いる普通語(状態の継続を強調)はべり(侍り)ら・り・り・る・れ・れお仕えする/ございます、〜です謙譲語(お仕えする)
丁寧語(ございます)いまそかり(いますがり)ら・り・り・る・れ・れいらっしゃる、おいでになる最高度の尊敬語(主語を高める)

「いまそかり」と「いますがり」の違いと音変化

教科書や参考書によって「いまそかり」と表記される場合と「いますがり」と表記される場合がありますが、これらは同じ単語の音変化(撥音便や濁音化)のバリエーションです。古文資料には「いまそがり」「いますかり」といった形でも登場します。基本的にはすべて同一のラ変動詞として扱って問題ありません。

文脈で激変する「はべり」の2大用法

試験で最も狙われやすいのが「はべり」の識別です。地の文で身分の高い人物のそばに控える意味で使われる場合は謙譲語(お控え申し上げる)となり、会話文や手紙文で聞き手に対して使われる場合は丁寧語(ございます・〜です・〜ます)として機能します。この判別は古文読解における必須技術です。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。