日々是好日の禅の意味は毎日が良い日ではない?雲門禅師が説く真意

日々是好日の禅の意味は毎日が良い日ではない?雲門禅師が説く真意

日々是好日の禅の意味は毎日が良い日ではない?雲門禅師が説く真意の詳細について、分かりやすい解説を詳しくお届けします。

日々是好日と茶道の意味は、切っても切り離せない関係にあります。茶室の床の間には季節を問わず「日々是好日」の掛軸が掛けられます。それは、茶道の根幹である「一期一会」を象徴しているからです。

同じ茶室、同じ顔ぶれ、同じ道具を揃えても、その日の気温、湿度、光の入り方、客と亭主の心境は刻一刻と移り変わります。晴天の爽やかな茶会だけでなく、雨が激しく降る日も、風が吹き荒れる日も、その瞬間だけの唯一無二の席として遇する。これこそが茶席における「好日」の精神です。

この境地を鮮烈な映像美とともに世に知らしめたのが、森下典子氏のエッセイを映画化した『日日是好日』における樹木希林さんの名演でした。樹木さんが演じた茶道教室の武田先生は、二十四節気の移ろいとともに、型を通じて人生の機微を弟子たちに伝えました。

作中で特に印象的なのは、梅雨の土砂降りの日に主人公が「雨の音」に意識を澄ませるシーンです。武田先生の導きによって、「雨の日は、雨を聴く。雪の日は、雪を見る。夏には夏の暑さを、冬には身の切るような寒さを。どんな日も、その日を思う存分味わうこと」という境地に達します。

樹木希林さん自身、晩年のインタビューや対談において、病気や老い、人生の予期せぬ出来事に対して「あるがままを引き受ける」独自の達観を示していました。公の場で見せた自然体の佇まいと、物事に執着しない語り口は、まさに「日々是好日」の教えを人生の最後まで体現し続けた姿として、観る者の胸を打ちます。

山崎 陸
著者

山崎 陸

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。