松本伊代さんの父親は、ものづくりの街として知られる東京都大田区で鉄工所を立ち上げ、会社経営を行っていた実業家です。日本の高度経済成長期からバブル期にかけて、大田区の精密機械加工や町工場は日本の製造業を根底から支える花形産業でした。
事業は順調に拡大し、従業員を抱える経営者として家庭には十分な経済的基盤が築かれていました。職人肌でありながら非常に家族思いで温厚な父親は、伊代さんを怒ることはほとんどなく、蝶よ花よと大切に育て上げたといいます。
多感な思春期にスカウトされて芸能界入りを希望した際も、父親は娘の夢を真っ向から応援しました。経済的な不安を一切感じさせずに娘の意志を尊重できた点からも、経営者としての実力と器の大きさがうかがえます。