凌遅刑とは何か?生きたまま肉を削ぐ中国史上最悪の処刑と廃止の真相

凌遅刑とは何か?生きたまま肉を削ぐ中国史上最悪の処刑と廃止の真相

凌遅刑とは何か?生きたまま肉を削ぐ中国史上最悪の処刑と廃止の真相の疑問点について、分かりやすい解説を詳しくお届けします。

凌遅刑を巡っては、インターネットや歴史ファンの間で数多くの都市伝説や誤解が流布しています。同時代の記録や医学的見地から、代表的な誤解の真相を紐解きます。

誤解1:すべての受刑者が3,000回以上削がれ、何日も生きていたのか?

劉瑾の「3,357刀」という記録があまりにも有名なため、「凌遅刑は誰もが数千回削がれるまで死ねない刑罰だった」と思われがちです。しかし、これは明代の極端な特例です。

清代の法実務においては、回数は大幅に簡略化されていました。『大清律例』の実際の運用マニュアル等によると、規定回数は「16刀」「24刀」「36刀」「72刀」「120刀」といった現実的な枠組みが定められていました。医学的にも、皮膚と筋肉を大きく切除されれば数十分から数時間で失血性ショックを起こすのが通常であり、数日間にわたって意識を保たせることは極めて困難でした。

また、受刑者の遺族が処刑人に多額の賄賂(いわゆる「規礼」)を渡し、「序盤の数刀の段階で、見えないように素早く心臓を一突きして絶命させてほしい」と依頼する裏取引が日常的に行われていました。この場合、群衆にはまだ生きているように見せかけながら、実際にはすでに事切れた遺体を規定回数削ぐという偽装工作が執られました。

誤解2:近代の写真に残る凌遅刑の受刑者は笑っている?

20世紀初頭、北京に駐屯していたフランス軍兵士らによって、本物の凌遅刑の写真が何枚も撮影されました。これらの写真はポストカードとして西洋に流出し、後に哲学者ジョルジュ・バタイユが著書『エロスの涙』の中で取り上げたことで世界的に知られることになります。

写真に写る受刑者(清末の反乱者である王維勤や、主人を殺害した康小八など)の表情について、「恍惚として微笑んでいる」「エクスタシーを感じている」といった神秘化がなされることがあります。しかし、近年の歴史学および病理学的な検証では、これは大量のアヘンを飲まされたことによる精神混濁状態、あるいは強烈な激痛による顔面神経の痙攣・引きつり(デスマスク)であると結論づけられています。

斉藤 蓮
著者

斉藤 蓮

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。