世界の山ちゃんの味の土台を支えているのが、手羽先に絶妙に絡みつくサラリとした褐色のタレです。家庭で再現を試みる際、最も多くの人が犯してしまうミスが「みりんや砂糖を加熱しすぎて、照り焼きのようにトロトロにしてしまうこと」にあります。
創業者である故・山本重雄氏が生前のインタビューや自著などで振り返っている通り、山ちゃんの手羽先は「ビールを何杯でも飲ませるためのシャープなキレ」が命です。タレにとろみがあると手羽先の皮が水分を吸って衣がふやけ、一気に居酒屋のクオリティから遠ざかります。目指すべきは、粘度のない「浸透性の高いシャバシャバなタレ」です。
家庭用の計量で完全にあのバランスを叩き出す、門外不出レベルの配合比率は以下の通りです。
作り方の手順は極めてシンプルです。小鍋にすべての材料を入れ、中火にかけます。ひと煮立ちしてアルコール分が飛び、砂糖が完全に溶けたら即座に火を止めます。予熱で煮詰まるのを防ぐため、すぐに耐熱容器やボウルに移して粗熱を取ってください。この「火を入れすぎない潔さ」が、肉の表面にサッと膜を作りつつ衣のサクサク感を殺さない秘訣です。