路線網の急激な縮小と制度変更は、利用者の肌感覚にどのような変化をもたらしているのでしょうか。SNSや旅行コミュニティ、そして現地利用者の声を精査すると、賞賛と悲鳴が入り混じる生々しい実態が浮かび上がってきます。
肯定的な声として多く挙がるのは、「Kitaca利用可能エリアの拡大」とネット予約サービス「えきねっと」の利便性向上です。現在、札幌圏を中心としていたKitacaは旭川・函館エリアの一部路線へも拡大され、都市間移動におけるチケットレス化は着実に進展しました。改札機にスマートフォンをかざすだけで乗車できる体験は、訪日外国人観光客やビジネスパーソンから「移動のストレスが劇的に減った」と高く評価されています。
その一方で、現場では厳しい混乱や戸惑いも頻発しています。最も深刻なのが「特急の全席指定化」に対する不満とリスクです。報道各社の街頭取材や駅窓口での証言によると、次のような切実なトラブルが後を絶ちません。
「新千歳空港から札幌経由で旭川へ向かう際、飛行機が30分遅延しただけで予約していた特急指定席が紙くず同然になった。窓口には変更を求める長蛇の列ができ、後続列車の指定席も満席で、結局2時間以上も極寒の駅で足止めを食らった」(首都圏在住・40代ビジネス客の手記より)
また、地元住民からは通学・通院環境の激変に対する悲哀が聞かれます。廃線に伴い導入された代替バスは、冬期の猛吹雪やアイスバーンによる道路渋滞で定時運行が難しくなるケースが目立ちます。「鉄道時代は豪雪でもラッセル車が線路を空けてくれたが、バスはホワイトアウトで頻繁に運休する」という声は、過酷な北国の冬を生きる道民にとって生命線が細くなったことを痛感させるリアルな証言です。