食事を終えたばかりなのに襲ってくる強烈な空腹感。その正体の多くは、胃が空っぽになったからではなく、脳がエネルギー不足と錯覚する「偽の空腹感(エモーショナル・ハンガー)」です。
人間は食事をとると、脂肪細胞から満腹ホルモンと呼ばれる「レプチン」が分泌され、脳の視床下部にある満腹中枢を刺激して「もう十分だ」というサインを出します。しかし、睡眠不足や慢性的な過食が続くと、レプチンが分泌されていても脳が受容できなくなる「レプチン抵抗性」という満腹中枢の異常が生じます。信号が遮断された脳は飢餓状態だと勘違いし、次々と食べるよう指令を出し続けてしまうのです。
偽の空腹感を見分けるポイントは明確です。本物の空腹感は時間が経つにつれて徐々に強まり、どんな食べ物でも受け入れられます。対して偽の空腹感は突発的に湧き上がり、「特定の甘いものやジャンクフードだけが無性に食べたい」という偏った衝動を伴うのが特徴です。まずはコップ1杯の白湯を飲み、15分ほど別の作業に集中して様子を見ることで、脳の誤作動をある程度判別できます。