ネット上の音楽レビューやプロレス談義において、現在も頻繁に見受けられる誤解が「スペクトラムのCDを買えば、テレビで聴いたあのハンセンの入場曲がそのまま聴ける」という思い込みです。配信サービスや中古市場でスペクトラムの『OPTICAL SUNRISE』を入手して再生したリスナーが、ギターのイントロや鞭の音が入っていないことに困惑する事例は後を絶ちません。
また、「ハンセン自身がテキサスの故郷を思い出してこの曲を選んだ」という俗説も誤りです。ハンセン自身が後の自著やインタビューで明かしている通り、来日時にリングへ向かう際、突如スピーカーから流れてきたメロディを聴いて「悪くない、俺のテンポに合っている」と受け入れたのが実情でした。自身が選んだのではなく、日本の職人たちがハンセンという巨人のために誂えた曲だったのです。
さらに映像ソフトやCS再放送における音源差し替え問題も、ファンの間で長年議論されてきました。ケニー・ロジャースの楽曲権利や原盤権の処理が複雑化した結果、ビデオやDVDの初期プレスでは別の汎用BGMへ差し替えられ、迫力が半減してファンを失望させた時期がありました。現在流通している公式コンテンツでは正規許諾や再現音源の採用が進み、往年の臨場感を損なわない形でアーカイブが保護されています。