2012年12月26日、政権奪還を果たした第2次安倍内閣が発足した際、最大のサプライズは首相経験者である麻生太郎が「内閣法第9条の第一順位指定大臣(副総理)」兼「財務大臣・金融担当大臣」として入閣したことでした。元首相が後任の内閣でナンバー2として仕える例は、戦後の憲政史を振り返っても極めて異例の布陣です。
安倍の狙いは明快でした。悲願である「アベノミクス」の推進には、金融緩和と財政出動を一体で進める必要があり、最強官庁である財務省を押さえ込める重厚な政治家が不可欠だったからです。麻生はその重責を担い、自民党内屈指の政策通・長老として、官邸の盾となり続けました。
副総理としての麻生は、官房長官であった菅義偉とともに政権の「骨格」を形成しました。外交や安保法制の整備に邁進する安倍の後背を、党内調整と財政規律を睨む麻生ががっちりと守る構図こそ、第2次安倍政権が記録的な長期安定を誇った最大のシステム的要因でした。