埼玉県教育委員会が発表する進路希望状況調査および入試確定志願者数を見ると、川口市立高校の普通科は例年1.4倍〜1.8倍台という驚異的な倍率を記録し続けています。埼玉県南部の公立高校において、この倍率水準を安定して維持している学校は極めて稀です。
この過酷な倍率競争において、受験生が直面する最大の壁が「スライド合格制度」に伴う実質的なボーダーラインの上昇です。川口市立高校の入試では、第1志望を理数科、第2志望を普通科とする出願が認められています。そのため、理数科で惜しくも不合格となった高得点層が普通科の合格枠へと流れ込み、普通科単願の受験生を押し出す構造が生まれます。
埼玉県公立高校の偏差値ランキング全体で見ても、同校のポジションは劇的に変化しました。以前であれば「蕨高校や浦和西高校の安全圏、あるいは川口北高校の併願候補」と位置づけられていた立ち位置から、現在では「蕨高校や越谷北高校と完全に競合し、川口北高校よりも上位の合格ボーダーを形成する」という逆転現象が現実のものとなっています。この力学を把握せずに過去の感覚で出願すると、手痛い結果を招くことになります。