純正リモコンが壊れた際、安価な解決策としてネット通販やホームセンターで1,000円〜2,000円程度で売られている「マルチリモコン」を選ぶ人は多いでしょう。しかし、ここには「汎用マルチリモコン互換性」にまつわる大きな落とし穴が存在します。
汎用リモコンは、各主要メーカーの標準的な赤外線信号コードを網羅しているため、「冷房・暖房・除湿の切り替え」「温度設定」「風量調整」といった基本操作には対応します。しかし、国内大手メーカー各社が独自に進化させてきた付加機能には一切アクセスできません。例えば、フィルター自動お掃除機能の手動強制作動、内部クリーン(熱交換器加熱乾燥)、左右独立ルーバーの風向スイング設定、人感センサーや床温センサーの連動設定などは、汎用リモコンの信号テーブルに含まれていません。
誤ったコードを設定したまま使用し続けると、意図しないモードで動作したり、換気運転が停止できなくなったりする誤作動の原因にもなります。「とりあえず今日の暑さをしのぐ」ための応急措置としては極めて優秀ですが、長期的にはエアコン本来の省エネ制御やメンテナンス機能を著しく損なうリスクを内包しています。