昭和の犯罪史を振り返る際、必ずその名が挙がる人物が栗田源蔵です。1926年(大正15年)に秋田県で生まれた栗田は、20代前半から30代目前にかけて凶行を重ね、日本初の本格的なシリアルキラー(連続殺人犯)として指名手配されました。
一見すると小柄で物静かな風貌でありながら、犯行時には一切の躊躇なく被害者を襲撃するという二面性を持ち合わせていました。栗田源蔵の経歴を辿ると、炭鉱作業員や日雇い労働などを転々としながら各地を放浪しており、定職に就かず社会の底流を這撃するように移動を繰り返していた実態が浮かび上がります。
戦後の混乱に乗じて身元を偽りながら各地で凶行に及んだ栗田は、警察の捜査網をくぐり抜け続け、当時の治安維持体制の脆弱さとも相まって、国民に底知れぬ恐怖を植え付けました。