夜尿を恐れるあまり、多くの人が陥る典型的な間違いが「夕方以降、一切の水分を断つ」という極端な制限です。これは医学的に見て非常に危険であり、夜尿の改善にとっても逆効果になり得ます。
水分摂取を極限まで減らすと、尿が極度に濃縮されます。高濃度になった尿は膀胱粘膜を強く刺激し、かえって排尿筋の痙攣的な収縮を引き起こして切迫感や漏れを誘発します。さらに、夜間の脱水は血液の粘度を高め、脳梗塞や心筋梗塞といった致死的な血栓症のリスクを跳ね上げます。
また、「お酒を飲んだ時だけだから病気ではない」という解釈も危険な誤解です。アルコールは脳の抗利尿ホルモン分泌を抑制し、飲んだ量以上の水分を尿として排泄させます。同時に中枢神経を麻痺させて尿意による覚醒をブロックします。もし少量の飲酒でも頻繁に夜尿が起きる場合、潜在的な膀胱機能の低下や睡眠時無呼吸が隠れている蓋然性が高いため、軽視は禁物です。