アキレス腱断裂のつっぱり感、いつまで続く?医師が教える回復の真相

アキレス腱断裂のつっぱり感、いつまで続く?医師が教える回復の真相

アキレス腱断裂のつっぱり感、いつまで続く?医師が教える回復の真相について知っておくべき 理由を分かりやすく解説いたします。

なぜ、断裂した腱がくっついた後も強烈なつっぱり感が続くのか。その根本的な要因は、生体が傷口を修復するバイオメカニクスにあります。

断裂したアキレス腱が治癒する際、体内では「コラーゲン線維(主にIII型コラーゲン)」が無秩序に増殖し、断裂の隙間を埋めるセメントのような役割を果たします。これが瘢痕(はんこん)組織です。元の健康なアキレス腱は規則正しく並んだ「I型コラーゲン」で構成され、適度な伸縮性と高い強度を持っていますが、修復初期の瘢痕組織は柔軟性が著しく乏しく、太く硬い塊となっています。

さらに、長期にわたるギプス固定や装具装着によって、以下の3つの複合要因が引き起こされます。

1. アキレス腱周囲組織の癒着(グラインディング制限)
腱を包むパラテノン(腱傍組織)や周囲の脂肪組織、皮下組織が炎症に伴い癒着し、腱が本来スムーズに滑走するスペースが失われます。足を前に出そうとした際、周囲の皮膚ごと引っ張られるようなつっぱり感が生じるのはこの滑走障害が主因です。

2. 下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)の短縮と拘縮
つま先を下げた肢位(尖足位)で数週間にわたり固定されるため、ふくらはぎの筋肉自体が縮んだ状態で硬化します。腱そのものの硬さに加え、筋肉の伸びにくさが足首の背屈を強く阻害します。

3. 組織内の循環不全とむくみ(浮腫)の沈着
ふくらはぎのポンプ機能が著しく低下するため、足首周りにリンパ液や血液が鬱滞します。むくみが慢性化すると組織間隙に線維化が起き、足首全体がレザーのように硬化してつっぱり感を増幅させます。

森 瞳
著者

森 瞳

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。