市販および歯科専売の知覚過敏用歯磨き粉には、主に2つの異なるアプローチを持つ有効成分が配合されています。自分の痛みの状態に合った成分を選ばなければ、十分な実感は得られません。
1つ目は「硝酸カリウム」に代表される神経鈍麻(伝達遮断)型です。歯の神経(歯髄神経)のシナプスに作用し、刺激シグナルが脳へ届くのを抑制します。すでに開口してしまっている象牙細管を伝わる刺激に対して、神経そのものを麻痺させるように痛みを和らげるため、冷水痛やブラッシング時の接触痛に幅広く適応します。
2つ目は「乳酸アルミニウム」や「ケイ酸ナトリウム」などの象牙細管封鎖型です。象牙質に無数に開いている微小な管(象牙細管)の内部にあるタンパク質と反応して凝固物を作り、管の入り口を物理的に塞ぎます。外部からの温度変化や風圧、機械的刺激が内部のリンパ液を動かすこと(動水力学説)そのものを遮断するため、即効性寄りのシールド効果を発揮します。
2026年現在のオーラルケア市場では、これら2つの成分を組み合わせた「Wブロック処方」や、歯の主成分に近いナノハイドロキシアパタイトおよび高濃度フッ素(1450ppm)によって象牙細管を再石灰化・結晶化させるハイブリッド型製品が支持を集めています。