日誌の記述に説得力を持たせるためには、発達心理学のフレームワークを頭の片隅に置いて観察することが極めて有効です。保育所保育指針の根底には、子どもの認知発達や社会性の発達段階が体系化されています。
例えば、2歳児の「玩具の取り合い」を観察する場合、ジャン・ピアジェの提唱した「自己中心性(他者の視点をまだ持てない発達段階)」や、エリク・エリクソンの心理社会的発達理論における「自立性 vs 恥・疑惑(自分で選びたいという欲求)」の観点を持つだけで、日誌の考察の深みは一変します。
「友達に意地悪をしている」と捉えるのではなく、「自分のイメージを形にしようとする主体性が育っている証拠であり、他者理解の芽生えを促す援助が必要」と考察できる実習生は、現場の保育士から「確かな専門的知識を持って子どもを見ている」と高く評価されます。机上の理論を現場の具体的な子どもの姿と結びつけて言語化することこそ、実習日誌の本質的な意義です。