ドラマ『恋する母たち』のクライマックスは、母として、妻として、そして一人の女性として葛藤し続けた3人の主人公がそれぞれの人生の決断を下す姿を描き出しました。最終回における3組の結末と、柴門ふみによる原作漫画との相違点を紐解きます。
失踪した元夫への執着を手放した石渡杏(木村佳乃)は、運命に翻弄されながらも惹かれ合った斉木巧(小泉孝太郎)と互いの傷を受け入れ合い、紆余曲折の末に再婚という未来を選択します。仕事と家庭の板挟みに苦しんだ林優子(吉田羊)は、夫・シゲオ(矢作兼)との円満な離婚を経て、一途に想いを寄せ続けた年下部下・赤坂剛(磯村勇斗)とシンガポール赴任から帰国後に結ばれました。そして、モラハラと不倫を重ねる弁護士の夫に縛られていた蒲原まり(仲里依紗)は、夫の失脚を機に経済的自立を果たし、落語家・今昔亭丸太郎(阿部サダヲ)の深い愛に包まれる道を選びました。
このように、大石静脚本によるドラマ版は「愛を選び取った母たちの幸福な再出発」というカタルシスを前面に押し出した結末となりました。しかし、原作漫画における結末は極めてビターで現実的です。原作では、世間体や加齢、経済力、そして子どもたちの将来という生々しい生活の重圧がより冷徹に描かれており、必ずしも全員がロマンチックなハッピーエンドを迎えるわけではありません。