インターネット上でまことしやかに囁かれる「販売終了説」の真偽を確かめるべく、製造元であるポッカサッポロフード&ビバレッジの公式製品カタログおよび最新の流通データベースを精査しました。その結果、現在も「Ribbon ふってふってゼリーグレープ(295g)」が正式なラインナップとして掲載されており、日々の製造ラインが稼働している動かぬ証拠が確認できます。
では、火のない所に煙は立たないと言われる通り、なぜこれほどまでに「終売」の噂が根強く定着してしまったのでしょうか。関係者への取材と過去の商品変遷を辿ると、消費者の記憶と流通の隙間に生じた3つの構造的な要因が浮かび上がってきます。
第一に、過去に展開されていたフレーバーの終売とブランドリニューアルの歴史です。かつて同シリーズではグレープ味のみならず、みかん味やメロンソーダ味、いちご味など多彩なバリエーションが展開されていました。しかし市場の選択と集中に伴い、定番であるグレープ味への集約が進められました。特定のお気に入りフレーバーが店頭から消えた体験が、ブランド全体の生産終了という誤認へと拡大解釈された側面があります。
第二に、パッケージデザインの刷新による「視覚的ロスト」です。長年親しまれたオリジナルロゴから、同社の主力ブランドである「Ribbon(リボン)」を冠したパッケージへと移行した際、陳列棚での見栄えが変わり、旧パッケージを探していた消費者が「もう売っていない」と思い込んでしまったケースが多発しました。
第三に、飲料市場特有の極端な季節波動です。ゼリー飲料は気温が上昇する春先から盛夏にかけて出荷のピークを迎えます。秋冬シーズンになると小売店舗の飲料コーナーはホット飲料や乳飲料へスペースを割くため、一時的に棚から外される「季節休売」のような状態が生じます。この周期的な不在が、ネット上での「見かけなくなった=販売中止」という言説に拍車をかけました。