現場で教壇に立つ教員たちは、どのような思いで日々を過ごしているのか。現職教員の手記や教職員組合の調査、知恵袋やSNSに寄せられた現場のリアルな証言を拾い上げると、額面の年収からは見えてこない過酷な日常が浮き彫りになります。
都内の公立中学校で学年主任と運動部顧問を務める30代男性教員の手記には、次のような生々しい記録が残されています。
「平日は毎朝6時45分に出勤し、教室の解錠と朝練の立ち会い。放課後は18時半まで部活指導を行い、そこからようやく明日の授業準備や保護者への電話連絡、行事の指導案作成が始まります。学校を出るのは21時過ぎ。土日は大会の引率で両日とも潰れます。支給される部活動手当は1日拘束されて3,000円少々。交通費の足が出ることすらあります。これで『公務員だから高給取りだ』と揶揄されるのは、あまりに理不尽で言葉が出ません」
また、小学校で担任を受け持つ20代女性教員は、退職エントリーの中でこう綴っています。
「初任給の手取りは20万円弱。平日はトイレに行く暇すらなく、給食も5分で流し込む毎日でした。退勤ボタンを押した後に自宅へ持ち帰ってテストの採点や通知表の所見を書く時間は、勤務時間として一切カウントされません。精神的に限界を迎え、心療内科で適応障害と診断されました。時給換算すれば千円を切る環境で、命を削ってまで続ける仕事なのかと自問自答し、教壇を去る決意をしました」
部活動手当の実態についても不満は頂点に達しています。休日に丸一日拘束され、生徒の怪我や事故に対する重大な安全責任を背負いながら、支払われるのはわずか数千円の特殊勤務手当のみ。民間企業の休日出勤手当とは比較にならない低水準であり、教員の善意と「教育的配慮」という無償の自己犠牲に寄りかかる形で、公教育システムが辛うじて維持されているのが現実です。