近年のお別れの会において、会場の約7割がホテルや多目的ホール、レストランで開催されています。ここで多くの参列者が直面するのが、施設側が定めている「ドレスコードの現場ルール」です。
都内大手シティホテルの宴会支配人は、現場の実情について次のように語っています。
「当ホテルでは一般のお客様の宿泊やウェディングパーティーが同じフロアで進行しております。そのため、主催者様とのお打ち合わせの段階で『ご参列者様へのご案内には、漆黒の喪服ではなく略喪服(平服)の指定を明記していただくこと』をお願いしております。ロビーやエレベーターホールが喪服の方々で埋め尽くされてしまうと、一般のお客様への心理的影響が大きいためです」(都内ホテル関係者)
SNSや知恵袋などのコミュニティでも、「良かれと思って真っ黒な礼服(準喪服)を着ていったら、ホテルロビーで自分だけ浮いてしまい恥ずかしかった」「『喪服お断り』というホテルのルールを後から知って焦った」という参列者のリアルな声が散見されます。
特に企業の創業者や役員を送る社葬お別れの会服装では、取引先企業から数百名規模のビジネス関係者が参列します。社葬の現場では、ビジネスの信頼感を損なわないダークスーツでの参列が事実上のスタンダードとなっており、喪服を着ていくこと自体が主催側の案内意図を汲み取れていないと判断されるリスクすら孕んでいるのです。