自動ドアの安全性を語る上で外せない国際水準のガイドラインが、JIS A 4722安全規格の詳細です。2017年に制定されて以降、公共建築および民間施設への浸透が続き、2026年の現在では改修・新設現場における事実上のデファクトスタンダードとして定着しました。
JIS A 4722は、ヨーロッパ規格EN 16005をベースに日本の実情に合わせて構築された規格であり、ドアの開閉動作エリア全域を保護対象としています。特に重要なのが、身長の低い幼児や車椅子使用者の足先、さらには歩行補助車(シルバーカー)のフレームを確実に捉える「死角なき非接触センサー配置」の義務付けです。ドアが開ききる直前の戸袋引き込まれ防止、ドアが閉まる際の挟まれ防止のための補助光電センサーの二重化が標準化されています。
さらに、建築基準法やバリアフリー法適合自動ドアの規定において厳格にチェックされるのが、車椅子対応の有効開口幅です。法定最低基準では800mmと規定されているケースが多いものの、大型の電動車椅子や介助者が並走する医療福祉現場では、実質900mm以上の有効開口幅を確保しなければスムーズな離合が困難になります。
これらの自動ドアバリアフリー基準は、単に数値をクリアすれば良いというものではありません。建物の用途、主たる利用者の身体特性、風除室の奥行きといった空間全体のコンテクストと照らし合わせた緻密な設計が求められます。