真夏の炎天下でトラブルが発生した際、パニックに陥らず冷静に状態を見極めるための最初のステップは、吹き出し口から風自体が出ているかどうかを確認する作業だ。カーエアコンの構造は「風を作り出す送風系」と「熱を奪って冷却する冷媒サイクル系」の2つに完全に独立しており、この初動チェックだけでトラブルの所在を特定できる。
風は勢いよく出ているものの冷たさを一切感じないケースでは、車エアコン冷えない原因の筆頭として冷媒回路のトラブルが疑われる。車体下部や配管の継ぎ目からのガス漏れ、冷媒を圧縮して循環させるコンプレッサーの圧縮不良、あるいは車体前部にあるコンデンサーの冷却ファンが停止して熱交換が物理的に行えなくなっている状況が大半を占める。
対照的に、風量スイッチを最大にセットしても微風すら送られてこない、いわゆる車エアコン風が出ない原因の大半は電気系統および送風ファンの機械的故障にある。助手席のグローブボックス奥に配置されているブロアファンモーターの寿命による焼き付き、電流の過負荷によるヒューズ切れ、あるいはファンレジスター(風量制御回路)の破損が代表的だ。送風が途絶えている状態でいくら温度設定を下げても冷えることはないため、電装系の点検修理が最優先となる。