現代のギター学習において、インターネット上の無料TAB譜は極めて手軽なツールです。しかし、多くのベテラン講師陣が警鐘を鳴らす通り、「TAB譜の数字だけを追っていると、演奏の音楽性が失われるだけでなく、フォームが破綻して後半で必ず行き詰まる」という深刻な盲点が存在します。
TAB譜は「指板のどこを押さえるか」という物理的位置を直感的に示してくれますが、「その音をどのくらいの長さ伸ばし続けるべきか(音価)」や「どの音を主役として歌わせるべきか(ポリフォニーの意識)」を直感的に読み解くことが困難です。『禁じられた遊び』の美しさは、低音のベースが長く響き渡る中で、高音のメロディがレガート(滑らか)に繋がり、中間で分散和音が寄り添うという「3つの独立した声部」によって作られています。
TAB譜の番号だけを見て「押さえては離す」を繰り返していると、音がブツブツと途切れた味気ない演奏になってしまいます。音符の符幹(上向き・下向きの棒)を見ることで初めて、「この指は次の小節まで離してはいけない」「このベース音は開放弦の響きを持続させる」という真の指使いの意図が見えてくるのです。
もしどうしても手の小ささや関節の硬さで後半のセーハが届かない場合は、恥じることなく「簡単ソロギターアレンジ」を選択するのも賢明な戦略です。例えば、カポタストを2〜3フレットに装着してフレット間隔を物理的に狭めたり、6弦を省いた部分セーハ(1〜3弦のみのセーハ)に簡略化された譜面を活用することで、身体を壊すことなく曲の持つ音楽的感動を味わうことができます。