初めての給油で意外に多いトラブルが、「油種の誤認」です。日本のガソリンスタンドでは、消防法およびJIS規格によりノズルの色分けが義務付けられています。原付バイクに給油すべきは、赤色のノズルである「レギュラーガソリン」です。
運転初心者が陥りがちな最大の落とし穴が、「原付は軽自動車のように小さい乗り物だから、軽油を入れるのではないか」という思い込みです。言うまでもなく、軽油はディーゼルエンジン用の燃料であり、ガソリンとは着火温度も揮発性も全く異なります。もし誤って軽油を給油して走行した場合、不完全燃焼によって大量の白煙を噴き上げ、プラグが失火してエンジンが停止します。最悪の場合、燃料ライン全体の洗浄やエンジンのオーバーホールが必要となり、数万円以上の修理費用が発生することになります。
また、古い原付(2ストロークエンジン車)に乗っている場合、「2ストオイルをガソリンタンクに直接混ぜるべきか」という疑問を持つユーザーが見受けられます。しかし、市販されている公道用原付スクーターのほぼ全車種は「分離給油方式」を採用しています。2ストローク車であっても、ガソリンタンクには通常のレギュラーガソリンのみを給油し、2スト専用エンジンオイルはシート下などにある独立した「オイルタンク」に補充するのが正しい整備手順です。誤ってガソリンタンクに直接オイルを流し込むと、キャブレターの目詰まりや始動不良の原因となるため厳禁です。