画面という「四角い枠」の概念自体も大きな変容を迫られている。空間コンピューティングの普及により、グラフィックや映像は二次元の平面を飛び出し、ユーザーの生活空間や視界全体へと拡張した。これによって、デザイナーに求められる能力は「枠内を美しく切り取るセンス」から「空間全体における影や光、空気感のコントロール」へと拡大している。
特に興味深いのは「余白」の解釈だ。従来のウェブやポスターにおける余白は画面上の空白を指していたが、空間デザインにおいては「現実の部屋の壁や窓、時間経過による光の変化」そのものが余白として組み込まれる。デジタルデータが物理現実の奥行きや質感とどう干渉し合うかという点に、新たなクリエイティブの妙味が生まれている。