朝ドラの歴史を数字の面から振り返る際、絶対に外せないのが朝ドラ最高視聴率おしんの存在です。1983年に放送された『おしん』(主演:小林綾子/田中裕子/乙羽信子)は、平均視聴率52.6%、最高視聴率62.9%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)という驚異的な数値を叩き出しました。貧困に耐えながら懸命に生き抜く少女の姿は日本中を涙させ、世界数十カ国でも放映される一大ムーブメントを巻き起こしました。
歴代視聴率の上位には、昭和期の名作がずらりと並びます。1966年の『おはなはん』(最高56.4%)、1974年の『鳩子の海』(最高53.3%)など、国民の半数以上が同じ画面を見つめていた時代の熱気は圧倒的です。一方で、2000年代以降の平成・令和期における朝ドラ歴代視聴率ランキングに目を向けると、ライフスタイルの多様化に伴い数値の基準は変化しています。
21世紀以降で屈指の数字を記録したのが、2015年後期の『あさが来た』(波瑠主演)です。全話平均23.5%を記録し、今世紀最高の平均視聴率を打ち立てました。次いで2013年後期の『ごちそうさん』(杏主演、平均22.3%)、2014年前期の『花子とアン』(吉高由里子主演、平均22.6%)が続き、確かな演技力と親しみやすい脚本が視聴率を押し上げる原動力となりました。