ワンダー・オブ・ユーが作中屈指の凶悪さを誇る理由は、攻撃力やスピードといった単純なスペックではなく、「厄災の条理(物理法則・因果の流れ)」そのものを味方につける能力特性にあります。
能力の発動条件は極めてシンプルでありながら回避不能です。対象者が本体である透龍、あるいは擬態した姿である明負悟に対して「追う」「探る」「攻撃しようとする」という意志や行動を起こした瞬間、その因果の順番に従って「厄災」がターゲットへ優先的に襲いかかります。この追跡の定義は物理的な追跡だけに留まらず、「遠隔カメラで監視する」「居場所を推理して向かおうとする」といった思惑すらトリガーとなります。
発動する厄災の恐ろしい点は、日常に転がっている些細な事象がすべて「即死級の物理破壊エネルギー」へと変換・増幅される現象です。作中で描かれた主な厄災現象には次のようなものがあります。
- 雨粒の弾丸化:降り注ぐ雨粒の落下エネルギーが凶器と化し、人体を銃弾のように貫通する。
- 微小なゴミの凶器化:投げ捨てられたタバコの吸い殻に触れただけで指が粉砕される。
- 衝突事故の不可避な連鎖:走行中の自動車のドアが突如外れて激突する、歩行者が急に進路を塞ぎ大怪我を負う。
射程距離は事実上「無限」に近く、一度ロックオンされれば対象が世界のどこにいようと逃れる術はありません。攻撃しようとすること自体が自滅への引き金となるため、真っ向勝負を挑むことすら許されない完全無欠の受動トラップとなっています。