蒼井の評価を確固たるものにしたのが、2006年公開の『フラガール』だ。炭鉱町の復興に挑むダンサー役を熱演し、日本アカデミー賞最優秀助演女優賞をはじめ数々の賞を総なめにした。情熱的なタヒチアンダンスを吹き替えなしで踊りきった姿は、彼女の凄まじいプロ意識の証左となった。
その後もキャリアを重ね、黒沢清監督の『スパイの妻』では太平洋戦争前夜の混乱期を生きる、狂おしいまでの愛に生きた女性を演じ、日本アカデミー賞主演女優賞を受賞。可憐な少女から、人間の業と狂気を宿した成熟した女優へ。時代ごとに見せる変幻自在なアプローチは、邦画シーンにおける最重要キャストとしての地位を不動のものにした。