政界を退いた菅直人氏の日常は、世間が想像するような静かな隠居生活とは程遠い。早朝の散歩と読書で一日を始めるスタイルは変わらないが、日中の大半は執筆活動や国内外の有識者とのオンラインミーティングに費やされている。テレビの全国ニュースでその姿を見かける機会は減ったものの、現場主義を貫く姿勢は健在だ。
独自取材で見えてきたのは、自らの足で地方の小規模な太陽光発電施設や営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)の現場を視察して回る精力的な姿だ。「肩書がなくなった分、以前よりも自由に現場の声を聞くことができる」と周囲に語る菅氏。大物政治家特有の威圧感はなく、市井の技術者や農家と車座になって語り合う姿が目撃されている。
また、趣味の囲碁を打ちながら政治の動向を観察する時間も増えたという。政界の最前線からは身を引いたものの、収集する情報の質と量、そして社会の潮流を読む洞察力は、今なお現役さながらの鋭さを維持している。